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  • Eric

日本初のGSTCツアーオペレーター認証取得

更新日:1月14日

ー 共同創業者兼代表取締役ベンジャミン ウォンに聞く


2022年12月28日、サステナブルツーリズムを推進するインバウンド旅行コンサルティング会社Tricolage株式会社は、日本で初めてGSTC(グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会)ツアーオペレーター認証を取得しました。この権威ある認証は、環境と社会への影響に関する高い基準を持ち、第三者機関による厳格な審査をクリアした事業者に与えられるものです。



日本は、ようやく訪日外国人への入国規制を緩和し始めました。そのような中、これからの旅行客は、訪れることで地域社会に貢献できる本物の体験を求め、企業活動においては環境に配慮した移動や旅行に関する厳格な基準が求められるようになっています。

この流れを受けて、旅行における持続可能性を実現するための知識や知見を有する専門家の存在は、ますます注目を浴びるようになってきました。


本記事では、GSTC認証の審査プロセス、そして日本における持続可能な観光の未来について、Tricolage株式会社の共同創業者であり代表取締役のベンジャミン・ウォンに行ったインタビューをご紹介します。


Tricolage代表取締役 ベンジャミン ウォン / コントロールユニオンジャパン Deputy Managing Director 大村氏


GSTC認証とは?なぜTricolageはGSTC認証取得に挑戦したのでしょうか?

ベンジャミン・ウォン(以下、ベンジャミン):GSTCは、持続可能な旅行および観光の基準を制定・管理する非営利団体です。コミュニティへの参加、労働者の権利、文化遺産の保護、カーボンフットプリントの最小化など、さまざまな分野における38の基準と174の指標から構成されています。


世界にはさまざまな認証が存在し取得の厳しさはそれぞれですが、当社は可能な限り高い基準で、かつ最も信頼されている認証を取得することを目指しました。顧客がサステナビリティ認証を必要としているから認証取得目指したわけではなく、あくまで当社は自らの持続可能への活動を強化するためにこの取組を開始したのです。


Tricolageは、訪日外国人に向けたオーダーメイドの旅行体験を提供するだけでなく、地域の持続可能な観光の発展を目指す国内の地方自治体や観光事業者へのコンサルティングサービスも提供しています。日本で初めてGSTC認証を取得した当社ですが、これは二つのことを証明したと考えています。ひとつは、我々が社会的・環境的影響に対して高い基準に則った形で旅行をデザインする第一人者であること。そしてもうひとつは、当社の事業自体が、サステナビリティに関する同等レベルの基準を適用して運営されているということです。



認証取得に至る道のり、課題はどのようなものでしたか?

ベンジャミン:まず初めに、審査を実施する第三者認証機関を選定する必要がありました。数ある団体の中で、当社はコントロールユニオンを選びました。理由としては、コントロールユニオンは、その高い品質水準で世界的に知られ、特にサステナビリティの分野においてさまざまな認証プログラムを有しており信頼性が高いと考えたからです。


我々のような小規模な企業にとって、認証取得は大きな挑戦でした。例えば、責任ある購買方針、サステナビリティに関する指標の設定方法、提供する旅行商品が与えうる影響の測定方法など、我々の企業活動のすべてを文書化することが求められます。そして、その文書に記載されている通り実際に事業を展開していることを裏付ける、独立した証拠が必要です。


対面で行った審査では、審査員が当社のステークホルダーに対して、我々がどのように事業を運営しているか聞き取り調査を行いました。今回の審査のためにギリシャから審査員が来日し、オフィスにおける書類審査と、実際の旅行商品を審査するため当社のツアーに参加し、課外でのツアー審査を実施しました。集中力の要する厳しい二日間の審査ではありましたが、良い経験となりました。


ツアー審査

審査員からはどのようなフィードバックを受けましたか?

ベンジャミン:評価されたポイントとしては、基準で求められていることをそのままチェックするのではなく、自社の方針に合わせて積極的に方法を考え、工夫して導入している点です。たとえば、GSTC基準のひとつに、持続可能性に関する方針をステークホルダーに伝えるというものがあります。文書を一般に公開することでも十分ではありますが、当社では取引先やクライアントなどに直接方針を共有しています。これはステークホルダーの皆様に当社の目指すところを知っていただいた上で、皆様からのご意見を知りたいからです。提供している旅行体験においても、それごとに方針をカスタマイズするなどし、当社が目指す持続可能な観光を実現するため、基準を満たす「最低限」ではなく、「十分な」施策を実施するよう心がけています。


一方で、改善点も指摘されました。それは「影響の測定」に関するものでした。審査前、当社には旅行商品が環境や社会に与える影響を評価する方法がありませんでした。指摘を受け、当社の旅行がもたらす潜在的な悪影響をまず特定して可視化し、これをできる限り軽減するためのプロセスを確立しました。当社の旅行商品は全てオーダーメイドで企画するため、一つ一つの影響を評価することは大変なことでした。しかし、持続可能な観光を実現する上で影響を測ることは非常に重要なことであるため、審査を通じて改善を重ね、持続可能性に関してより強固な事業体となったと考えています。


文書審査

Tricolageはなぜこのような高水準の認証を取得できたのでしょうか?

ベンジャミン:大きな理由の一つに、現地のDMO(観光地域づくり法人)と連携して旅行を企画していることが挙げられるでしょう。地域のニーズや課題を深く理解しているDMOと協業することで可能な限り地域経済をサポートすることができます。お客様に提案する宿泊施設や飲食店、観光施設などは地元経営の事業者と直接繋いでいただくことで、あまり知られていない本物の体験をお客さまに提供することができます。


さらに、取引事業者の皆さんにご協力いただきながら、積極的により良い旅行商品の造成を図っています。仕入先選定においてはサステナビリティ認証を取得している事業者を優先していますが、それだけではなく、サステナビリティに関する聞き取り調査にご協力いただき、当社の求める基準に満たしている事業者から調達、あるいは満たしていない場合は改善のための提案を行なっています。




日本では、サステナブルな旅という「新時代」が来ているのでしょうか?

ベンジャミン:日本には、「お客様は神様です」という言葉があります。しかし、サステナブルツーリズムでは、お客様だけでなく、地域社会や地球のニーズにも応えなければなりません。


コロナ禍以前、京都では観光客が増えすぎて、地域と観光客との関係が必ずしも健全なものではありませんでした。また海外からの旅行者はより有意義で誠実な旅行体験を求めるようになっています。インバウンド旅行者の大幅な増加とオーバーツーリズムによる負の影響を受けて、観光庁は、地域が持続可能な観光地となるために、GSTC基準に基づく「日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS-D)」を策定しました。日本の観光業界は持続可能な観光の必要性をますます認識してきています。この旅行の新しいニーズや流れを受けて、地域や観光事業者は、国際的に求められる基準を満たすための知識や専門性、経験を持つ実務的な人材を確保することが急務となっています。


Tricolageは、国内外のサステナブルツーリズムに関する知識を日本の観光業界と共有することで、日本の観光業界が目指すこれからの旅行への取組の一端をサポートしています。皆様と協力させていただくことで、困難な状況に立ち向かう地域、そして旅行者が求める「持続可能な観光」を実現することができると考えています。


私たちは、旅行者、地域の社会経済、地球、そして業界全体の幸せを創造するために、これからも活動を続けて行きます。



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