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  • Samantha Lees

観光による地域経済の活性化 - 八ヶ岳の事例

更新日:3月19日

観光は、あらゆる分野にプラスの変化をもたらす可能性を秘めています。私たちは、現状の課題に挑戦し、人・経済・地球にとってよりベターで、持続可能な旅を実現するために邁進しています。


観光がいかに持続可能な発展に繋がるのか、そして訪れる場所の文化・コミュニティ・生態系に最大の利益をもたらすのかを感じていただくため、トリコラージュでは6つの「サステナブルトラベルのコンセプト」に沿って旅行体験をデザインしています。


きちんとした形で観光がなされれば、訪問した先は、人々が住みやすくて訪れやすい地域となり得ると考えられます。それを実現するためには、観光客が使ったお金が現地に残るようにすることが重要です。





観光が地域の社会・経済にもたらす効果とその重要性


消費されたお金が地域に留まることで、地域経済や人々の生活がサポートされ、観光客自身にとってもより良い旅行先へ発展することに繋がります。例えば日本中、世界中で見かけるような大規模のお店ではなく、地元のお店を利用することでお金はその地域に留まります。これがその地域に必要なインフラや教育、地元の中小企業などに投資されることで、より広い経済的利益に繋がり、地域に好循環が生まれます。


日本においては特に、観光は農村地域の経済活性化に不可欠です。 地方の多くの場所では、近年急速な過疎化が進んでいることで、町や村が存続の危機にさらされています。さらに、その中で何世紀にもわたって発展してきた伝統や文化、知識なども同時に衰退し、消滅してしまうという事態に直面しているのです。2014年に日本創成会議が発表した統計によると、このまま現在の地方離れの傾向が続けば、2040年には多くの地方で女性の人口が半分まで減り、このような地域は消滅してしまうことが明らかになっています。そのため、地方の活性化は、そこに住む人々の生活の維持・向上はもちろん、地域の知や文化を守り続けるためにも重要です。


今回は、日本が誇る美しい地域の中でも、環境保全、社会経済的価値、文化遺産の保護、地域社会の活性化など、あらゆる分野で持続可能な観光を実現する場所をご紹介しましょう。


ようこそ八ヶ岳へ


八ヶ岳は全長25kmに及ぶ火山列島で、高山地帯の景観が素晴らしいことで知られています。日本屈指の名水で知られる八ヶ岳山麓は、火山性の豊かな土壌でさまざまな農産物が栽培され、昔と今が共存する地として、地域の人々が守り続けている場所です。


ここは、特に外国人旅行者の間ではまだまだ知名度が低い地域です。2019年の日本全体としての訪日外国人旅行者数は過去最高の3188万人に達しましたが、この地域における外国人旅行者による延べ宿泊者数はわずか5万人泊ほどに留まっています。(地域DMO 八ヶ岳ツーリズムマネジメントより)


東京都心からわずか2時間で行けるここ八ヶ岳では、訪れることで地域コミュニティをサポートしながら、地方の暮らしを体験、ゆっくりとした時の流れを感じることができます。



「失われた日本」のロマン ー 伝統と生活を守り支える


訪問先の本当の魅力を体験することは、地元の産業や生活のサポート、そして貴重な文化遺産を保全するという意味において、地域の持続可能性へと繋がります。私たちが見つけた例をいくつかご紹介しましょう。


古民家を利用したヴィーガンレストラン「キッチンオハナ」は個人経営のレストラン。農家から仕入れた旬の野菜や穀物を中心に、ヘルシーで美味しい料理を提供しています。古民家を生かしたインテリアがとても素敵なお店です。



信州のこぎりの最後の職人の工房で、職人から直接、この地域に伝わる信州のこぎりという伝統工芸の歴史について学ぶことができます。訪問者は匠の技を間近で見ることができ、最後に体験することができます。


「凍(し)み豆腐」づくりは、約200年前、山あいの農村地帯である茅野市の山浦という地で、地元の農家が冬の間の収入源を確保するために始まったと言われています。この体験では、凍み豆腐作りを通して、一見シンプルな材料から生み出されるさまざまな料理を味わうことができます。


山間の集落にひっそりと佇む古民家で、日本の田舎暮らしを体験することができます。頑丈な柱や梁など伝統建築の美しさをそのままに、現代的な快適さを備えたこの古民家。ヤマウラステイプロジェクトでは、失われつつある山浦の芸術・文化・伝統的生活様式を守るため、数々の受賞歴を持つ米国の日本研究家であるアレックス・カー氏が古民家をプロデュースし、新しい体験を生み出しています。



地元のおばあちゃんに学ぶ料理体験は、甲州街道の宿場町である金沢宿の歴史や郷土料理についておばあちゃんたちに直接話を聞きながら料理を教えてもらい、食事を楽しむことができる地域に根ざした体験です。


地元ガイドによる情緒あふれる「ふるさと」まちあるきは、地元住民の視点でまちを案内してくれます。曲がりくねった細い路地を進み、不思議な階段や伝統的な装飾はまるで現代のストリートアート。小さな神社や美しい庭、時には住民のお宅を訪問することもあります。



ご紹介した事例の多くは、観光が地域経済を支えるのみならず、環境保全や文化保護、訪問先への負荷軽減など、あらゆる効果をもたらしています。これからも、素敵な日本のサステナブルな旅に関する記事をお届けしていきます。


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